2026年2月、これまで好調を維持してきた暗号資産市場に激震が走っています。わずか1週間足らずの間に、市場全体の時価総額から約5,000億ドル(日本円で約75兆円規模)が消失。ビットコイン(BTC)は、2024年の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降の「最安値」を更新する事態となっています。

以下に、今回の急落の主な原因と市場の現状をまとめました。

1. ビットコイン、トランプ勝利後の上昇分を帳消しに

トランプ次期政権への期待から始まった「クリプト・ラリー」によって、一時は円建てで1,800万円、米ドル建てで12万ドルの大台を突破したビットコイン。しかし、2026年2月に入り状況は一変。現在は1,100万円台まで押し戻され、強気相場を支えてきた期待感が急速に萎んでいます。

2. 市場急落を招いた「3つの要因」

今回の「パニック売り」に近い下落には、複数の要因が重なっています。

  • トランプ政権の関税政策とインフレ懸念 トランプ氏が掲げる関税政策が、米国内のインフレを再燃させるとの懸念が強まりました。これにより米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退し、リスク資産である仮想通貨から資金が流出しています。
  • 大手取引所「Bybit」へのハッキング被害 暗号資産取引所大手Bybitに関連するハッキングのニュースが、投資家心理を直撃。セキュリティへの不安が、市場全体の売り圧力を強める結果となりました。
  • 地政学リスクと米政府閉鎖リスク イラン情勢の緊迫化に加え、米政府機関の再閉鎖(シャットダウン)リスクが重なり、投資家が「リスクオフ(資産退避)」の動きを加速させました。

3. 金融業界全体への波及

この混乱は暗号資産にとどまりません。金融業界では、ソフトウエア業界向けプライベート融資の損失懸念からブルー・アウルなどの関連企業が急落。さらに、プルデンシャル生命が金融庁の調査を受けて保険の新規販売を自粛するなど、伝統的な金融市場にも不透明感が広がっています。

今後の展望:セリングクライマックスとなるか?

一部の分析では、現在の急落を「セリングクライマックス(大底圏でのパニック売り)」と見る向きもあります。2月10日時点では、安値から一部急反発する動きも見られますが、マクロ経済の不透明感が拭えない限り、不安定な値動きが続くことが予想されます。


まとめ:投資家はどう向き合うべきか? 今回の暴落は、仮想通貨市場が依然としてマクロ経済や政治情勢に強く依存していることを再認識させました。パニック売りを避け、冷静に市場の底打ちを確認することが、現在の局面では重要と言えるでしょう。